貸し倉庫の選び方、借りる時のポイントとは?

貸し倉庫と通常の賃貸物件の違いとは?

貸し倉庫とは、「倉庫業法」に基づいて貸倉庫業者が運営する物件を指します。中には不動産賃貸業者が通常の賃貸住宅法に基づいて荷物用の物件を貸す倉庫も存在します。

通常の賃貸物件は、人が住むことを前提とした、水回りが整っていたり一定の広さの窓があったりする物件のことを指しますが、一方倉庫は、そのような条件はありません。

そのため、広いスペースであっても通常の賃貸物件よりも安く借りることができるのです。

また、倉庫業法に基づいて運営されている貸し倉庫は法律で荷物の保証が義務づけられているため、盗難や火災をはじめとする災害などで荷物が破損したり失われてしまったりした場合は、貸し倉庫を運営する会社が一定額を保証してくれます。

貸し倉庫の種類とは?

貸し倉庫は、そのまま「貸し倉庫」の名前で賃借されている物件もあります。

しかし、これは会社や法人が多量の荷物を預ける場合に主に使用される物件です。

個人向けの貸し倉庫としては、トランクルーム、レンタル収納スペース、宅配型トランクボックス、バイクボックス、レンタルボックス、レンタルコンテナなど名称はさまざまです。

貸し倉庫のメリット

■自社所有の倉庫に比べて初期投資が少ない

倉庫を借りるときにかかる費用は、買うのと比べてずっと少なくなります。地域差はありますが、前家賃と礼金、保証金、仲介手数料です。家賃に換算すると半年~1年分が目安になります。

もちろん、目的に合わせて内装を施したり、設備を導入したりするのであれば、さらなる費用はかかりますが、それでも買うよりはお得です。これらの費用や毎月の賃料はすべて経費として計上できます。維持管理はオーナーが行うため、会社側でこうした費用を別途負担する必要はありません。固定資産税も支払わなくて済みます。

■事業計画の変更に伴う事業所の移転がしやすい

借りたら日を置かずに使い始められる手軽さも貸し倉庫のメリットです。途中で倉庫を狭くしたり、広くしたりするなら、契約更新のタイミングで移転することもできます。

退去にともなう原状回復や、新たな契約にともなう前家賃や礼金、保証金、仲介手数料は発生しますが、買い替えにかかる費用に比べれば微々たるものです。そのため、事業の規模や必要性に応じて、常に最適な広さの倉庫を選べます。

貸し倉庫のデメリット

■使用上の制限があることがある

借りている倉庫は、自社のものではありません。オーナーの意向によって、使い方が制限される場合があります。使える時間や曜日が決められていたり、レイアウトやデザインを妥協しなければいけなかったり、希望する設備を導入できなかったりするかもしれません。

また、退去するときは原状回復するための費用がかかります。住宅の賃貸と違って、事業用の物件は経年劣化を考慮されず、借りる前の状態に戻さなければいけません。原状回復は、認識の違いによってオーナーとトラブルになりやすいため、注意が必要です。

契約更新のタイミングで賃料が値上げされ、資金繰りに影響を及ぼす恐れもあります。こうしたトラブルを防ぐには、最初の契約時によく話し合って、曖昧にしないことが大事です。契約書にも明記するようにしましょう。

■自社所有の倉庫に比べて、長期間の賃貸になるとトータルの費用が高くなる

コスト面では、初期費用こそ抑えられますが、その後は家賃がかかり続けます。どんなに家賃を払っても、自社のものにはなりません。あまりにも長期にわたって同じ倉庫を借り続けると、結局は買ったほうが安く済む可能性もあります。

■使いやすい倉庫を選ぶ

一から倉庫を建てるなら、思い通りのレイアウトにしたり、必要な設備を導入できたりしますが、中古の倉庫を買ってリフォームしたり、借りたりする場合は制限があります。

あらかじめ、どのような環境にしたいのか明確にして、基準を満たしてくれる倉庫を選びましょう。例えば、空調設備や水回り、配線などです。特に食品など、温度や湿度の管理がシビアに求められるものを保管したいなら、妥協してはいけません。

動線も重視したいところです。間仕切りや階段などで動きを阻まれては、効率が下がってしまいます。中古や賃貸の倉庫であれば、退去時に原状回復する前提で、ある程度変更できますが、建物の強度に影響を及ぼす場合は動かせないので、事前の確認が必要です。

■交通の便が良いエリアの倉庫を選ぶ

倉庫は荷物を保管するだけでなく、出し入れする作業も発生します。荷物の運搬にはバンやトラックが使われるため、これらがアクセスしやすい倉庫を選ぶのが大事です。駅近や住宅地よりも、郊外の幹線道路に近い倉庫のほうが、利便性は高いでしょう。

当然、これらの車を停められるスペースも必要です。従業員用の駐車場もあると、なお良いでしょう。さらに停留所や駅などの公共交通機関、住宅地も近ければ、人材を集めやすくなります。

このような倉庫は常に需要を見込めるため、買った後で使わなくなっても、売却先や借り手を見つけやすいでしょう。

もちろん、買う場合は初期費用、借りる場合は家賃が高くなりがちですが、それに見合ったメリットを享受できるはずです。

■信頼できる不動産仲介業者を選ぶ

賃貸の倉庫は数多く存在しますが、その中から自社の目的に合った物件を見つけるのは大変です。実際に借りた後で、不便さに気づいたり、何か問題があったりするケースも少なくありません。

これで移転をするとなると時間も費用も無駄になってしまいます。

自社の目的に合った倉庫を選ぶには、信頼できる仲介業者に紹介してもらうのが一番です。特に、倉庫を専門に扱う仲介業者がおすすめです。

というのも、倉庫や工場など事業用専門の不動産業者は、物件の情報量が豊富ですし、専門的な知識も持ち合わせています。素人には分かりづらい利便性や需要についても、的確にアドバイスしてくれるでしょう。そういった事業用専門の不動産業者をフルに利用することが、良い物件選びのコツです。

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