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「売れる店」と「売れない店」には共通の要因があります。その中でも、お店の売上に大きな影響を与えるのがお店の「立地」です。
お店の売上に影響を与える要因とは~。まずは価格、飲食店では「味」・接客・お店の内装、・そして立地とたくさん考えられます。そのうち、料理の味・サービス内容や接客水準などはいくらでも変更出来ます。しかし、立地に対しては、お店を出店するまでに数千万円など高額な投資をしているためしてしまったため、なかなか場所を変えることは難しい。そのため退店の覚悟が決まらず、赤字のまま営業を続けてしまう事例は多くあります。その時になって、立地調査の重要性に気づいても後悔ばかりです。立地の大切さを表現する言葉で、「立地7割」という言葉あります。一般的に、立地と商品力・営業力を考えてみたとき、7対3程度と言われていることから、どんなに努力しても立地が悪ければ売上はたいして上がらないという内容です。「開店資金のわずかでも立地調査をしておけばよかった」とならないようにしていきたいですね。
駅前で人通りが多い物件はおおかたお客さんが集まる可能性は高いといえます。ただし、そのような物件は確実に賃料が高く、大手から個人事業主まで出店希望者が多いため、なかなかそのような物件取得が難しいです。また、駅前ということにこだわり出店してしまい、賃料が会計を圧迫して不採算店となる事例もあります。しかし、駅前や大通り立地でなくとも繁盛しているお店はたくさんあり、「立地の気をつけるポイント」をきちんとおさえれば、充分に利益が出るお店を出すことができます。
立地を正しく見るためには決め事があり、見る順番としては、「商圏」⇒「競合」⇒「立地特性」の順となります。
「商圏」….お客さまが来る範囲。
「競合」….商圏内のお客さまを取り合うお店。自店と業種業態やサービスが同じか確認する。
「立地特性」….店舗周りの特性の事で、前面道路の歩行者数やお店の見え方等をいいます。
「商圏」と「競合」情報から「この街で出店できるか」を判断し、その次に「立地特性」から「この場所で出店できるか」を決めます。
出店するときに考査する立地のポイントは共通ですが、注意すべき点は商圏のタイプ毎に違います。商圏のタイプは「商業立地」「オフィス立地」「住宅立地」の3つに分けられます。
商業立地とは、大型の商業施設がたくさんあり、平日、土日ともに地域だけでなく遠方からも多くの人が集まる街のことです。関西ではキタやミナミといったところが代表されます。高い消費が見込まれる来街者のため、基本的に高い売上が見込まれ、客単価の高い業態が成り立ち易いという利点があります。もちろん競合店もたくさんあるので、他店の状況をよく観察し、差別化となる強みは何かを見極めていく必要があります。商業立地の良い物件は賃料、そして物件取得への競争も激しく、難易度高いです。また、一見のお客さまの取り込みが重要なため、人通りがある場所で、間口・看板を認知されやすくするとなどの創意工夫が大変必要です。
オフィスが集中しており、商業施設がほどんど無い街です。関西では本町・淀屋橋などといったところが代表されます。メリットは、平日昼間の人口密度が大変高くなるという事です。また、毎日ほぼ同じ人が通勤してくるため、ランチタイムに限ると、飲食に対する需要と供給のバランスが崩れているため、集客には関しては問題ないでしょう。また、顧客の常連化が狙えるため、アルコールを提供する業態も定期的な宴会需要も見込めできます。一方、デメリットとしては、休日の売上が見込めない事が言えます。平日との売上に比較ではは落ち込みが激しい点は、よく考慮した事業計画を立てていく必要が出てきます。
住宅立地のメリットは、競合による競争が少なく、また賃料も比較的安いという事です。デメリットとしては、客層がほぼ近隣の住人となるため、商業立地やオフィス立地と比べると商圏の可能性としての力が弱く、高い売上が見込みにくいと考えられます。居住者以外の人口の流入が少ない住宅立地では、住人の質を見極める必要性もあります。例えば、所得が低く住人の年齢層が高い街に客単価が高い若者向けの店を出しても良い結果を得るのは難しいと言えます。逆に、商圏が閉鎖的である分、住人のニーズにきちんと合わせた店舗であれば、競合・賃料に対して安定した利益を生み出せる立地といえます。このような立地は、新聞の折込みチラシといった販促手法が有効になります。
商圏タイプの特徴をよく見極めないと、コンセプトに合わない立地に出店してしまい苦戦を強いられる結果となってしまいます。立地選びには商圏タイプ毎の特徴を十分に理解し、何度も検討していきましょう。